Webデザイナーは、全職種の中でも需要が高まっている職業であり、将来性のある仕事と言える。しかしIT系デザイナー特有の苦労も多々ある。
まず、納期の問題は全てのデザイナーが経験する苦労だろう。IT系の仕事全体の特徴でもあるのだが、とにかく流れが速いのだ。そのため、1つの案件に対して余裕のある時間を与えてもらえることはまれで、たいてい必要最低限の期間しかもらえない。残業や休日に家に持ち帰って作業を行うWebデザイナーは多く、心身に負担を抱えることは珍しくない。
効率よく仕事をする方法を学び、キャパシティーを超えた量の仕事に対してはハッキリとNOを示す意志力をつけることが重要だ。また、自分にとっての正しい休養の取り方も必須のスキルとなる。
費やした労力と評価が比例しないということも、IT系デザイナーによくある悩みだ。ITデザインは、美的センスが問われるアートの面もあるが、コンバージョン率やユーザー数などの数字も評価の対象になる。そのため、いくら自分で満足のいく作品を作っても、数字で評価されなければ質の悪いものとみなされてしまう。これが精神的な負担になり、やめてしまう人も多い。
だからと言って数字のみを追いかけてしまうと、自分のスタイルを見失い仕事に面白みがなってしまうので、自分の美的センスも大事にしつつ、確実に数字でも評価を上げていく努力が必要になる。自分が思い描くものと、クライアントに利益になるものの妥協点を意識していくということだ。